la-musicaの美の採掘坑

自然、美術、音楽、訪れた場所などについて、「スゴイ!」「きれいだな...」「いいね」と感じたものごとを書き留めています。皆さんの心に留まる記事がひとつでもあればうれしいです。

2013-01-01から1年間の記事一覧

シュトゥットガルトのペルセウス (絵の採掘坑13)

シュトゥットガルト州立美術館には、ラファエル前派の画家エドワード・バーン=ジョーンズが描いた、ギリシャ神話のペルセウスを主題とした連作があります。 油彩6点と、紙にチョークと不透明絵の具で描いた作品2点の合計8点が収蔵されています。 のちに…

伊豆の島々の眺め (センス・オブ・ワンダー10)

伊豆スカイラインの巣雲山、そして翌日は稲取の「稲取ふれあいの森」から、熱海・伊東の島、そして伊豆諸島の島々を眺めることができました。 巣雲山の展望台からは、初島、手石島、大島がよく見えました。 <巣雲山からの眺めの案内> <初島> 初島は静岡…

富士山 2013 (センス・オブ・ワンダー 9)

11月最後の土曜日、箱根・伊豆方面に富士山を眺めに行ってきました。 今回は、まず箱根新道から富士見峠へ上って芦ノ湖越しに富士山を眺め、続けて県道20号線を経由して伊豆スカイラインに入り、滝知山園地と巣雲山で360度のパノラマで富士山を眺めてき…

紅葉前線スタート地点~大雪山層雲峡(センス・オブ・ワンダー 8)

紅葉前線は、9月初旬に北海道の大雪山系の山々から始まり、標高を下げながら徐々に南下していきます。 大雪の紅葉は、針葉樹の緑と、落葉・広葉樹の朱色・黄色が幾重にも重なり、錦絵のように山々を飾ります。 層雲峡の黒岳ロープウェイのアナウンスで、大雪…

迷路と百水 (絵の採掘坑 12)

小学一年生の息子が迷路に夢中です。 迷路を解くだけではなく書くことも大好きで、学校の休み時間に自由帳に迷路を書いては友達や先生に「やってみて」と声をかけている様子。たくさん書いています。 家でも白板や紙に迷路を書いていますが、あっという間に…

シュテファン・ロッホナー (絵の採掘坑 11)

ドイツ・ケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美術館に「薔薇の園亭の聖母子」という小品があります。 亭の中に、清楚で優しい表情の聖母マリアがきりっとした表情の幼子イエスを膝に乗せて座っています。その周りをかわいらしい顔の天使たちが取り囲んでいます。…

スイス - ベルナー・オーバーラント・ドライブ 2003年夏 (永遠の場所 7)

2003年の夏、美術館巡りを目的に妻とスイスを旅行しました。 シュトゥットガルト州立美術館(ドイツ)、ファドゥーツ・コレクション(リヒテンシュタイン)、ヴィラ・フローラ、オスカー・ラインハルト・コレクション、チューリヒ美術館、ビュールレ・コレクショ…

プラハ - 百塔の街とアペリティフ (永遠の場所 6)

チェコの首都プラハには80年代後半から90年代前半にかけて度々出張し長期に滞在しました。 僕にとってはとても思い出深い特別な街です。 その後2000年に旅行で訪れましたが、それ以来訪問する機会が持てていません。 大好きなプラハついての下記の雑文は今か…

エジプトへの逃避 (絵の採掘坑 10)

ヨーロッパの美術館や教会を訪ねて絵を観て歩いた際に常々感じていたのは、「聖書や神話について少しの知識があるだけで絵を観る楽しみが何倍にもなる」ということでした。 本や絵の解説などを読んでも最初のうちはすぐに忘れてしまうのですが、興味を持って…

ティトゥス (絵の採掘坑 9)

レンブラント・ファン・レインは「光と影の画家」と呼ばれた17世紀オランダ絵画の巨匠です。 「光と影」という呼称はレンブラントの明暗表現によるものですが、彼の生涯自身も「栄光の前半生」と「困難と失意の後半生」で光と影に包まれていたと言えるのでは…

ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス -2 (絵の採掘坑 8)

ヘールトヘン・トット・シント・ヤンスの数少ない作品は、彼の活躍の地であったオランダ、オーストリア、ドイツ、イギリス、フランス、スイス他、欧州各地に散らばっています。 ここで「ヘールトヘン・トット・シント・ヤンスを巡る」鑑賞ツアーをシミュレー…

ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス -1 (絵の採掘坑 7)

ドイツに約二年半滞在していた頃、妻と美術館巡りをして、ドイツやネーデルランドの画家の絵を数多く見ました。 そのころに初めて知った画家にヘールトヘン・トット・シント・ヤンスがいます。 我々お気に入りのこの画家について紹介しましょう。 ヘールトヘ…

ペルセウス座流星群@乗鞍高原一の瀬キャンプ場(センス・オブ・ワンダー 7)

我々が乗鞍高原でキャンプをした時期はペルセウス座流星群を観察するにはベストなタイミングでした。 国立天文台のホームページにも毎年8月12日・13日頃を中心に活動する流星群との説明があります。 2013年8月13日0時頃の東京の空の様子を示した下記のイメー…

一の瀬園地ハイキング(センス・オブ・ワンダー 6)

前日に乗鞍岳剣ヶ峰に登頂できたので、8月13日(火)はゆっくり一の瀬園地をハイキングしようという計画でした。 朝ゆっくり寝ようといっても、7時半過ぎにはテントの中は暑くなって寝ていられません。 ゆっくり朝食を採り、一の瀬園地の駐車場へ戻って少し荷…

乗鞍岳剣ヶ峰3,026m登頂 (センス・オブ・ワンダー 5)

8月12日(月)、7時に起床。 快晴!! 朝ごはんを食べ、おにぎり+おかずの昼食を準備して、乗鞍岳登山へ向けて出発。 車で乗鞍高原休暇村まで行き車を停めます。 乗鞍岳登山の起点になる畳平へ向かうアルピコ交通のシャトルバスには、休暇村のバス停から乗り…

3泊4日@乗鞍高原一の瀬キャンプ場 (センス・オブ・ワンダー 4)

今年の夏休みは乗鞍高原でキャンプをして乗鞍岳に登ってきました。 3年前に家族で金時山(標高1,213m)に登ったのですが、その当時より成長した子供たち(小学校4年生&1年生)と山頂まで登れる山はないか探していました。 妻が、子供の頃に乗鞍の畳平(標高2,700…

オスカー・ラインハルト・コレクション ~ クラナッハ 「ヨハネス・クスピニアン博士とその妻アンナの肖像」 (絵の採掘坑 6)

日本にもたくさんの美術館があるものの、残念ながら、北方ルネサンス絵画を所蔵する美術館はほとんどありません。 上野の国立西洋美術館には、ルーカス・クラナッハ(父)の「ゲッセマネの祈り」があり、他にフランドル絵画もあったかと思いますが、他の美術…

北方ルネサンスの魅力 ~ 上部ライン地方の画家 「楽園の小さな庭」 (絵の採掘坑 5)

イタリア旅行の最大の楽しみ(食を除く...)はルネサンス美術に浸ることにありますが、同様にドイツ・ベネルクスを旅する魅力のひとつ(僕にとっては一番の魅力)に北方ルネサンス美術があります。 一般的に「北方ルネサンス」とは、15世紀から16世紀にかけ…

ギリシャ:サモス島~エフェソス(トルコ)~アテネ 1997年夏 (永遠の場所 5)

ローマ行きのついでに計画したギリシャ旅行でしたが、旅するうちに増々ギリシャが気に入ってきました。 見どころが多いこと、料理が口に合うこと、そしてゆったりと時間が過ぎていくこと等々、色々理由はあります。 現在ギリシャで世界遺産に登録されている…

ギリシャ:アテネ~ナフプリオン~エピダウロス 1997年夏 (永遠の場所 4)

[Aug.01] 朝8時出発のカランバカ→トリカラのバスに乗る。30分ほどで到着し、9時発のアテネ行きに乗り換えた。 トリカラからアテネへの道は、途中山道はあったものの概して平地が多い。 距離は長くても、イグメニツァからカランバカの道のように山あり谷あり…

ギリシャ:イグメニツァ~カランバカ~メテオラ 1997年夏 (永遠の場所 3)

1997年の春、塩野七生の「ローマ人の物語」を読み始めました。 「ローマ人の物語」は1992年から年に1冊ずつ刊行され、読み始めた時には第5巻まで刊行されていました。 読み始めてすぐに古代ローマの世界に引き込まれ、一気に「ユリウス・カエサル ルビコン…

ベルリン 2000年秋冬 (永遠の場所 2)

2000年10月。15年ぶりにベルリン訪問。 ベルリンの壁が崩壊した89年以降のベルリンの変化を見たいと思いながら既に長い時が過ぎていました。 85年訪問時にモノトーンの景色でしか知らなかったウンター・デン・リンデンやフリードリヒ通りも、ホテルやデパー…

東西ベルリン 1985年夏 (永遠の場所 1)

学生の頃、そして社会人になってからも、色々な場所を旅してきました。 一度しか訪れていない場所。たびたび訪れた場所。その中に強く印象に残っている特別な場所があります。 僕にとっては永遠の、それらの場所のことを書いておきたいと思います。 ********…

カンディンスキー「即興:洪水」における色彩の洪水について (絵の採掘坑 4)

ドイツ/ミュンヘンにある市立レンバッハハウス美術館は、芸術家グループ「青騎士」の作品群の他に類をみないコレクションで名高い。 ここでは、「青騎士」のメンバーであったガブリエレ・ミュンターの寄贈による作品によって、「青騎士」時代のカンディンス…

フリードリヒの「ドレスデン近郊の大猟区」 (絵の採掘坑 3)

ドイツ・ロマン主義の風景画家フリードリヒの作品に「ドレスデン近郊の大猟区」があります。 太陽の姿が微かに認められる茜色の空。夕暮れの光が空から遠のき、河の流れる湿地帯は闇の中に落ちていきます。 観る者の視線は地平線へと引き込まれ、日没直前の…

ユーゲン王子の「古城」 (絵の採掘坑2)

この絵は、スウェーデン王室のユーゲン王子(Prins Eugen)が描いた「古城」という作品です。 正方形のキャンバスに大きく描かれているのは、緑の丘に建つレンガ屋根の建物、抜けるような青空、そしてその間に広がる雲。 この絵の主題は雲であり、青空に放射…

ヴァルトミュラーの「窓辺の若い農婦と三人の子供達」 (絵の採掘坑 1)

今日は好きな絵について。 窓辺で父親の帰りを待っていたのでしょう。こちらへ向かってくる父親を見つけ、幼い子供が母親を見上げて話しかけています。 母親は既に夫の姿に気づいていて、正面を見つめて優しく微笑んでいる。反対側の窓辺には、お兄ちゃんが…

西伊豆ワンダーランド(2)-雲見、伊豆半島 (センス・オブ・ワンダー3)

そもそも岩地海岸を訪れるきっかけとなったのは松崎町雲見でのオートキャンプであったことは前回触れました。 la-musicaファミリーは富士山フリークで、富士山の見える裾野、御殿場、山中湖、田貫湖などでキャンプしたり、大観山、日本平、由比ヶ浜などへ富…

西伊豆ワンダーランド(1)-岩地海岸 (センス・オブ・ワンダー2)

7月13日に西伊豆の海に行ってきました。 岩地海岸は西伊豆松崎町内にある白砂で遠浅の美しい海岸です。 夏場は「ダジュール岩地」という漁船が湯船になった露天風呂が登場し賑わいます。 一年前に同じ松崎町内にある雲見のオートキャンプ場でキャンプをした…

オオムラサキに会ったよ (センス・オブ・ワンダー 1)

梅雨明けの7月7日七夕の日、山梨県北杜市のオオムラサキセンターに行ってきました。 もちろん、日本の国蝶オオムラサキの成虫に会うためです。 今年のゴールデンウィークに白州でキャンプをした機会にオオムラサキセンターを訪れ、センター内にある生態観察…