西伊豆ワンダーランド(2)-雲見、伊豆半島 (センス・オブ・ワンダー3)
そもそも岩地海岸を訪れるきっかけとなったのは松崎町雲見でのオートキャンプであったことは前回触れました。
la-musicaファミリーは富士山フリークで、富士山の見える裾野、御殿場、山中湖、田貫湖などでキャンプしたり、大観山、日本平、由比ヶ浜などへ富士山を眺めに出かけています。
西伊豆の雲見の辺りからは駿河湾越しに富士山がきれいに見えるという話を聞き、海遊びも兼ねて行ってみようということになりました。
昨年の夏に来た時は「雲見夕陽と潮騒の岬オートキャンプ場」のテントサイトでキャンプをしました。
7月の末で、地面の熱で靴の底がはがれてしまうほどとても暑い日でした。
景色は良い場所なのですが、その時は雲がかかっていて残念ながら富士山は見えませんでした。
この夏は更に山道を上ったところにある「雲見オートキャンプ場」に行きました。
昨年暑くて非常に寝苦しい思いをしたので、今回は楽をすることにして…ログキャビンに泊まることにしました。
冷暖房・冷蔵庫・二段ベッド完備で非常に快適。非常に眺望の良い場所に露天風呂がありお湯も気持ちがいいです。
露天風呂のある辺りが最も見晴らしの良い場所。着いた日は空が霞んでいて富士山は見えませんでした。
翌朝早く見晴らしの良い場所にいくと、うっすらながら富士山の山並みが海に浮かんでいました。
夏の日の景色がこれなら、空気の澄んだ冬の日の景色はもっと素晴らしいだろうなと、冬の日の再訪を考え始めています。
キャンプ場では色々な種類のアゲハ蝶が舞っていました。
後翅に黄白色の斑紋がある大きなモンキアゲハはグライダーのように滑空するように飛び、鮮やかな青緑色がきれいなアオスジアゲハは挑発するように激しく飛び回り、キアゲハは蜜を吸いに花から花へ飛び移っています。
そういえば、岩地海岸の砂浜では、アオスジアゲハのほかに玉虫を見つけました。
玉虫を見るのは、幼稚園児の頃に一度見て以来です。
伊豆の自然の中にいると、伊豆半島がフィリピン海プレート上の南方で生まれた島であり、本州島とは異なる南方系の植物相にあることが肌で感じられる気がします。
伊豆半島ジオパークのwebサイトによれば、
・伊豆は約2000万年前に本州から数百km南、現在の硫黄島付近の緯度にあった海底火山群。
・フィリピン海プレートの上にできた海底火山や火山島はプレートとともに北に移動し、約60 万年前、本州に衝突し現在のような半島の形になった。
ということです。
一方、平塚市博物館によれば、
・丹沢山地は1700万年前頃、古伊豆・小笠原弧(大島〜八丈島〜小笠原へ連なる孤の前身)の南の海の珊瑚礁で囲まれた海底火山として生まれた。
・フィリピン海プレートに乗って北上し、500万年前頃本州孤に衝突し沈み込めずに付加し、100 万年前以降に伊豆の衝突により急激に隆起したもの。
と考えられているとのことでした。
年代については諸説あるようですが、いずれにしても、まず丹沢が本州にぶつかり、その後伊豆半島がぶつかり、本州と伊豆半島に挟まれた丹沢はその後も伊豆半島の北上によって隆起している、ということのようです。
伊豆半島衝突の現場である神縄(かんなわ)断層を観察できる場所があるということで、数年前に見に行ったことがありました。
神縄断層は、神奈川県の松田町から山北町を経て静岡県小山町にいたる断層です。
静岡県小山町生土という場所で、林道を行った先のゲート前に車を停めて徒歩で数分進むと露頭があります。
断層は垂直に走っています。
向かって左が本州側で、右が伊豆半島側です。左側は火山灰が堆積してできた凝灰岩、右側は礫が固まってできた礫岩です。
神縄を含む神縄・国府津-松田断層帯は、丹沢山地南縁から神奈川県小田原市の相模湾岸に至る活断層帯です。
マグニチュード7.5程度の大きな地震が起きる確率が他の断層帯に比べて高いと言われています。
最新活動時期は12世紀以後14世紀前半以前、平均活動間隔は約800年~1,300年とのこと。
雲見のキャンプ場とそこで見た蝶や虫の話から、伊豆の植物相、フィリピン海プレートの伊豆半島に、更に伊豆半島衝突の現場である神縄断層、神縄・国府津-松田断層帯へ展開してしまいましたね。