歌の採掘坑(Music)
前回、ウィーンを舞台にした映画「ジェラシー(Bad Timing)」について触れましたが、ニコラス・ローグ監督の同映画を通じて知ることでその後親しむことになったのは、クリムト/分離派の絵画だけではありません。 キース・ジャレットの『The Köln Concert ケ…
5月28日にミューザ川崎シンフォニーホールでの"MUZAアコースティック・ライブ"で、マルティン・シュタットフェルトのバッハの演奏を聴いてきました。 曲目はイタリア協奏曲とゴルトベルク変奏曲。 バッハのゴルトベルク変奏曲は、以前からグレン・グールドの…
先日、名画座で『パリよ、永遠に』という映画を見ました。 舞台は、第二次大戦末期のナチス・ドイツ占領下のパリ。ヒトラー命令による「パリ壊滅作戦」が実行されようとしている日。 パリで生まれ育った中立国スウェーデン総領事ノルドリンクが、パリ壊滅作…
僕の娘も歌が好きです。 自分の子供の頃の音楽体験を振り返ってみると、大学生になるまではメロディ偏重で過ごしてきていて、歌の歌詞を噛みしめたという記憶はほとんどありません。 一方、娘は小さい頃から言葉に対する感受性が強く、いつも歌詞を意識して…
四月を歌ったスタンダード・ナンバーでまず思い浮かべるのはジョニー・ハートマンが歌う『I'll Remember April』です。 バーノン・デューク作曲の「April In Paris」という名曲もありますが、自分にとっては、やはりジョニー・ハートマンの歌で『I'll Rememb…
歌手の名前はわからないのですが、昔聴いてその声と旋律が深く記憶に刻み込まれていて、今でも思い浮かべられる曲があります。 コンサートではなく映画で聴いた曲ですが、サウンドトラックのCDにも歌手の名前は記載されておらず、その女性ボーカリストが誰で…
3月8日(日)、横浜みなとみらいホールでの、エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団とヒラリー・ハーンによるコンサートを聴いてきました。 演目は、シベリウスの交響詩「フィンランディア」、ブラームスのヴァイオリン協奏曲、そしてシベリウス…
今日は、ジャズ・スタンダード以外の好きな曲の中からヴォカリーズの曲を一曲。 もう十五年以上も前のことですが、知人からナタリー・デセイというソプラノ歌手の「Vocalises」というCDをもらいました。 ナタリー・デセイという歌手も初めてでしたし、収録さ…
コール・ポーターの曲を知りたければ、以前にも紹介しましたが、エラ・フィッツジェラルドの「The Cole Porter Songbook Vol.1 & Vol.2」の2枚はお勧めです。 2枚で32曲収録されていて決定盤に挙げたい演奏が色々ある中で、自分にとってのベストはと問われれ…
「John Coltrane and Johnny Hartman」を聴いてあこがれたジョニー・ハートマンですが、その後、他のアルバムも聴きこみました。 先に紹介した"In the Wee Small Hours of the Morning"が収録された「I Just Dropped By To Say Hello」、そして「Songs From …
デューク・エリントン楽団の作編曲者であったビリー・ストレイホーンが書いた『Lush Life』は、「John Coltrane and Johnny Hartman」のジョニー・ハートマンの歌で初めて聴きました。 難解な曲というのが第一印象でしたが、何度も聴き込んで歌詞の内容も理…
コール・ポーターの曲に熱中した時期がありました。 コール・ポーターの曲は、メロディーはエキゾチシズムに溢れていてコード進行がユニークですし、歌詞も個性的でおもしろい表現も多くて、とにかく”粋”という表現がぴったりという気がします。 コール・ポ…
女性ボーカルでは、一時期ダイアナ・クラールをよく聴きました。 彼女のアルバム「All Of You」(1996年)、[Love Scenes」(1997年)、「When I Look In Your Eyes」(1999年)の3作品は気に入っていて、彼女のアルバムで初めて知る良い曲が多くありました。 ダイ…
夜中過ぎから午前3時頃までのことを英語では"wee small hours"というそうです。 日本語は少し微妙なようで、「未明」は辞典では「午前3時~日の出前」を指す一方で、天気予報の用語では「午前0時~3時」の意味で使われるそうなので、"wee small hours"は「未…
「マンボ・キングス/わが心のマリア」という、1950年代のマンボ流行時の音楽界を舞台に、ラテン・ミュージシャンの兄弟の青春を描いた映画がありました。 1992年公開なのでもう随分前の映画ですが、アーマンド・アサンテがエネルギッシュな兄を、アントニオ…
1970年代後半から1080年代半ばにかけて、角川書店/角川春樹事務所制作による"角川映画"が一時代を築きました。 自ら見に行った映画はありませんでしたが、テレビCMによる映像+キャッチコピーのインパクトが強かったことを思い出します。 1977年公開の「人間…
クリスマス・ソングには「The Christmas Song」、「Have Yourself a Merry Little Christmas」など好きな曲がありますが、それでも12月の曲として最初に思い浮かぶのは、12月のマンハッタンを舞台にした『Violets For Your Furs』です。 トム・アデア作詞、…
ドイツに滞在していた頃、妻と二人で地元の合唱団に入りました。 ドイツの人たちと何かで交流してみたいという気持ちがあり、二人とも歌が好きで合唱の経験があったので、地元の合唱団を探して見学に行ってみました。 日本人が来るのは初めてで、指揮者/リー…
今回は、スタンダードでノリのよい『Just In Time』です。 昔フィリピン・セブ島のリゾートに滞在した際に、ホテルのレストランでピアノの伴奏で歌ったことがあります。 そのレストランにはカクテル・ミュージックを演奏する男性ピアニストがいて、スタンダ…
娘が生まれた直後だったか、「A Child Is Born」が聴きたくてトニー・ベネットとビル・エヴァンスのデュオ・アルバム「Together Again」を購入しました。 このアルバムには「A Child In Born」を始め、心に沁みる曲が数多く収められています。 『Make Someon…
ファンキー・ジャズを代表するピアニスト兼作曲家にボビー・ティモンズがいます。 彼はアート・ブレーキー&ジャズ・メッセンジャー、キャノンボール・アダレイ・クインテット在籍中にヒット曲を次々と世に送り出しました。 彼のヒット曲の一つに『Dat Dere…
ニコラス・ケイジが1995年度のアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞の最優秀主演男優賞を獲得した「リービング・ラスベガス」という映画がありました。 ラスベガスを舞台にニコラス・ケイジ扮するアルコール依存症の男ベンとエリザベス・シュー演じる娼婦サ…
ジャズ・ヴォーカルを始めた頃、最初にあこがれた歌手はジョニー・ハートマンでした。 彼の声の低音の響きには艶があり、柔らかく温かみがあります。 彼のバリトンの声は"ヴェルヴェット・ヴォイス"と呼ばれていますが、聴いていてとても心地よく、包み込ま…
そろそろ音楽についても書いてみようという気になりました。 ジャズ、クラシック、映画音楽等々、ジャンルを問わず好きな音楽は多くあります。 ただ、一時期ジャズ・ボーカルにのめり込んでスタンダードをたくさん聞いて歌ってきたので、特にジャズ・スタン…