la-musicaの美の採掘坑

自然、美術、音楽、訪れた場所などについて、「スゴイ!」「きれいだな...」「いいね」と感じたものごとを書き留めています。皆さんの心に留まる記事がひとつでもあればうれしいです。

星を見る夕べ、再び (センス・オブ・ワンダー 35)

先週、9月の第二土曜日、かわさき宙と緑の科学館の「星を見る夕べ」に行ってきました。

 

かわさき宙と緑の科学館の星空観察会に初めて行ったのは今年の3月28日。

その後も機会をうかがっていたのですが、月二回の開催日が雨や曇りで中止となることが多く、暫く行っていませんでした。

 

2回目の訪問が8月22日。続けて今回9月12日の観察会にも参加できました。

 

観察会は、まずプラネタリウムでその日観察する星空についての説明を聞きます。

その後10人単位で順次屋上の天体観測スペース「アストロテラス」に上がり、大型望遠鏡で星空を観察するというステップとなります。

8月22日の観察会は200名近い参加者がいて、我々は到着が遅かったため屋上に上がるのも最後の方で夜8時半頃でした。

9月12日の観察会は参加者が200名を超えていて、この時も到着が遅かったので大型望遠鏡で観察できたのは夜9時過ぎ。

ただ、プラネタリウムで待機している間も、子供達が退屈しないように解説者の方が子供向けに色々なお話や説明をしてくれました。

早くに屋上に上がるよりもプラネタリウムでじっくり話が聞けて楽しいのですが、さすがに夜9時からの屋上観察では子供達も疲れてしまいました。

 

9月12日に大型望遠鏡で観察したのは、はくちょう座二重星アルビレオ、並びにこと座の環状星雲M57でした。

 

この日は、夏の大三角の三つの星(こと座ベガ、わし座アルタイル、はくちょう座デネブ)が天頂近くに肉眼でくっきりと見えました。三つの星のうち、ベガとアルタイルは、七夕の伝説における「おりひめ(織姫)」と「ひこぼし(彦星)」です。

星を見る夕べ 20150912

 

はくちょう座の星は、尾の部分にある最も明るい1等星のデネブ以外にも、胸の部分にあるサドル、両側の翼部分のギェナーとδ星の三つの星も肉眼ではっきり見えました。

白鳥座

 

今回大型望遠鏡で観察したアルビレオは白鳥のくちばしの部分に当たる星で、肉眼で見ると単一の星としてしか見えませんが、望遠鏡で見ると二重星であることがはっきりとわかります。

くちばしの内側の方にある大きく明るく見える星は橙色に輝き、外側の小さく見える星は青白く輝いていました。

宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」で、この二つの星を、輪になって回るサファイアとトパーズになぞらえています。

アルビレオ

 

次に大型望遠鏡で観察したのはこと座にある惑星状星雲M57。

リング状に見えることで有名で、環状星雲、リング星雲、ドーナツ星雲などと呼ばれているそうです。

こちらの方は大型望遠鏡でもぼんやりとした円にしか見えず、残念ながらドーナツ型には見えませんでした。

まばたきをすると目が動いて焦点を当て直すので、それで何とかとらえることができました。

地球からの距離は、アルビレオが434光年であるのに対してM57は約2600光年。 全然遠いですね。

 

その日の主たる観察対象のアルビレオとM57を見た後は、小型の望遠鏡で北極星を観察しました。

肉眼でも見えましたが望遠鏡でくっきり見えました。

北極星こぐま座のしっぽの先端にあるポラリスです。 といってもこの星が未来永劫北極星というわけではありません。

北極星とは天球の北極にもっとも近い恒星を意味していますが、地球の"歳差運動"(コマの首ふり運動のようなもの)により自転軸の傾きが少しずつ変わるため、何千年かごとに北極星は別の星に移り変わります。

紀元前1100年頃には同じこぐま座のβ星が北極星でした。

将来は紀元4100年ころにケフェウス座のγ星が北極星になるそうです。

 

北極星を見た頃には9時半を過ぎていたので切り上げて帰途につきました。

 

その前の回の8月22日は、土星が月の近くでくっきりと見え、大型望遠鏡で月と土星を観察しました。

星を見る夕べ 20150822

 

大型望遠鏡で見た土星はまわりの輪がくっきりと見えました。

又、あくまで光の点としてですが、土星の衛星タイタンが認められました。

土星

 

この日の夜空は、月、土星、さそり座のアンタレスが横一列に並んで鮮やかに美しく輝いていました。