la-musicaの美の採掘坑

自然、美術、音楽、訪れた場所などについて、「スゴイ!」「きれいだな...」「いいね」と感じたものごとを書き留めています。皆さんの心に留まる記事がひとつでもあればうれしいです。

オオムラサキに会ったよ (センス・オブ・ワンダー 1)

梅雨明けの7月7日七夕の日、山梨県北杜市オオムラサキセンターに行ってきました。

もちろん、日本の国蝶オオムラサキの成虫に会うためです。

今年のゴールデンウィーク白州でキャンプをした機会にオオムラサキセンターを訪れ、センター内にある生態観察施設でオオムラサキの幼虫に出会いました。

冬を越してエノキの樹に登り始めた越冬幼虫でした。

子供たちも幼虫の”ムーちゃん”を気に入り、木の枝に目を凝らして探していました。

オオムラサキ越冬幼虫

スタッフの方にオオムラサキの一生について解説して頂き、成虫に会いたければ6月末から7月が良いと教えて頂いたのでタイミングを見計らっていたのです。

8時半の開館をめがけて到着。早速、生態観察施設「ひばりうむ」へ向かいます。

「ひばりうむ」は広さ1400㎡の鉄骨網張りの施設で、オオムラサキの生息に必要なクヌギやエノキなどの樹木・草花が植えられ、一年を通じて自然に近い状態でオオムラサキを観察できる場所です。

施設に入るとメスの成虫が目の前の床に羽を広げてとまっていました。

少し歩くとクヌギの木に十匹以上の成虫が止まって樹液を吸っています。

羽を閉じていると裏側の黄色の部分しか見えません。カブトムシと仲良く、時に争いながら樹液を吸います。

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一方、エノキの枝に目を凝らすと、葉の裏には蛹が、枝には六齢幼虫が動き回り食欲旺盛に葉を食べています。

スタッフの方の話では、通常この時期には卵も見ることができるらしく、一度に卵、幼虫、蛹、成虫のあらゆる段階を見られる時期だということです。

(残念ながら卵は見つけることができませんでした)

しばらくすると、気温が上がってきたためか、蝶たちは活発に羽ばたき乱舞するようになりました。

オスのオオムラサキの表の羽が美しい紫色に輝くさまを十分堪能でき感激。

メスは羽の色はベースが茶色でオスに比べると地味ですが、サイズはオスより一回り大きく、飛んでいる姿は優雅です。

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オスとメスのお見合いにも出会いました。

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この日の朝に羽化したオオムラサキがいて、羽の色が薄いので、そのうち色がついてくるものと観察していたのですが、スタッフの方の話では、これは色素異常の珍しい蝶で羽の色はこのまま変わりませんとの事。

口吻の先はもともと二つに分かれていて、羽化する時に合わさるのだそうですが、この蝶は羽化してもまだ先が分かれたままでした。

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生態観察施設の外でも、周囲に広がるオオムラサキ自然公園や、近くのキャンプ場でもオオムラサキが飛んでいました。

オオムラサキセンターは、日本各地のオオムラサキの標本や世界の蝶や昆虫の標本を展示していたり、オオムラサキの大きな構造模型などもあって見どころ豊富です。

また休日には、化石割り体験、工作教室、ピザ焼き体験などのイベントが定期的に企画されていて(カブトムシの幼虫探しのような季節のイベントもあります)、子供たちにも楽しめる場所です。

我が家の子供たちにとっては、自然公園に設置されているハンモックに寝転がるのが気持ちよいらしく、しばらく揺らして遊んでいました。お勧めの場所です。

実は自分も妻もオオムラサキの成虫と対面するのはこの日が初めて。

秋の幼虫の季節か、来春、また家族で訪れようと思っています。