la-musicaの美の採掘坑

自然、美術、音楽、訪れた場所などについて、「スゴイ!」「きれいだな...」「いいね」と感じたものごとを書き留めています。皆さんの心に留まる記事がひとつでもあればうれしいです。

I'll Remember April (歌の採掘坑 20)

四月を歌ったスタンダード・ナンバーでまず思い浮かべるのはジョニー・ハートマンが歌う『I'll Remember April』です。

バーノン・デューク作曲の「April In Paris」という名曲もありますが、自分にとっては、やはりジョニー・ハートマンの歌で『I'll Remember April』が好きです。

この曲は、ドン・レイ、ジーン・デ・ポール、パット・ジョンストンの共作で、1942年に上映された映画「ライド・エム・カウボーイ」の主題歌として書かれたナンバー。

インストでは速いテンポが多いようですが、ヴォーカルでは歌詞の内容からバラードで歌われることが多い曲です。

<< I'll Remember April >>

Words and Music by Don Raye, Gene De Paul and Pat Johnston

This lovely day will lengthen into ev'ning

We'll sigh goodbye to all we've ever had

Alone where we have walked together

I'll Remember April and be glad

I'll be content you loved me once in April

Your lips were warm and love and spring were new

But I'm not afraid of Autumn and her sorrow

For I'll remember April and you

The fire will dwindle into glowing ashes

For flames and love live such a little while

I won't forget but I won't be lonely

I'll remember April and I'll smile

この心地よき日も暮れようとしている

そして僕らはため息とともに過ぎ去った時に別れを告げる

君と歩いたこの道を独り歩きつつ

四月を思い出すと僕は幸せな気持ちになれる

僕は満足していられる

君が愛してくれたあの四月がある限り

君の唇は暖かく恋と春は始まったばかりだった

僕は憂愁の秋を恐れはしない

なぜなら僕には君とのあの四月の思い出があるから

炎もやがて衰え赤々とした灰へと姿を変える

炎も恋もはかない命

僕は忘れないだろう でも寂しがることはない

あの四月を思い出し微笑むことだろう

"四月"の思い出を歌っていますが今は秋。

歌詞を読んでいると、この曲は失恋を歌ってはいるのですが、時を経てその痛みは既に昇華され心は前を向き始めているようで、穏やかなイメージを持ちます。

ほとぼりは残っているようでいて清々しさを感じさせるような・・・

愛聴盤は以前にも紹介したジョニー・ハートマンの「Songs From The Heart plus All Of Me」です。

Johnny Hartman Songs From The Heart

曲はA-B-A'の16x3=48小節の構成。

ピアノのイントロの後にハートマンがルバートで歌い始めます。

8小節後の"Alone"のところからインテンポとなりブラシがテンポをとります。

Bに入ったところからハワード・マギーのトランペットがハートマンのバリトン・ボイスに絡んできます。

ジョニー・ハートマンのヴォーカル、ハワード・マギーのトランペット、ラルフ・シャロンのピアノのインタープレイにため息がでます。

いつの日かこんな風に歌ってみたいものです。