Make Someone Happy (歌の採掘坑 5)
娘が生まれた直後だったか、「A Child Is Born」が聴きたくてトニー・ベネットとビル・エヴァンスのデュオ・アルバム「Together Again」を購入しました。
このアルバムには「A Child In Born」を始め、心に沁みる曲が数多く収められています。
『Make Someone Happy』は、このアルバムを何度も聴くうちに特にジワジワ沁みこんできた曲です。
<< Make Someone Happy >>
Words by Betty Comden and Adolph Green
Music by Jule Styne
Make someone happy
Make just one someone happy
Make just one heart the heart you sing to
One smile that cheers you
One face that lights when it nears you
One girl you're everything to
Fame if you win it
Comes and goes in a minute
Where's the real stuff in life to cling to?
Love is the answer
Someone to love is the answer
Once you've found her, build your world around her
Make someone happy, make just someone happy
And you will be happy too
この曲は、1960年のミュージカル「ド・レ・ミ」のためにベティ・コムデンとアドルフ・グリーンのコンビが作詞し、ジュール・スタインが作曲したものです。
ベティ・コムデンとアドルフ・グリーンはしばしば夫婦に間違えられるほどの名コンビで、ミュージカル映画が最も愛された時代に「雨に唄えば」(1952年)など、数多くの脚本を共同で執筆しました。
又、『Make Someone Happy』を含め、多くの曲を共同で作詞しています。
又、ジュール・スタインは、「Guess I'll Hang My Tears Out to Dry」, 「I Fall In Love Too Easily」, 「Just in Time」などの名曲を残した作曲家です。
トニー・ベネットとビル・エヴァンスは「Together Again」(1976年)の前年に、"「The Tony Bennett Bill Evans Album」を録音しています。
ベネットは全体をルバート気味に歌い、エヴァンスは寄り添うように伴奏し息がピッタリ。
エバンスはピアノ・ソロではフェイクして自由に演奏。
ハーフからベネットの歌が入ってくるとうまくバトンを渡してサポートにまわります。
ベネットがサビの部分を歌い上げるのを盛り上げ、最後は二人で静かに余韻を残しながらフェードアウト。
「”愛するひとを見つけたら、彼女の周りにあなたの世界を築きなさい。ただ一人、その人を幸せにしよう。そうすればあなたも幸せになれる」という"愛の賛歌"です。
この曲、比較的最近(?)では、ソフィー・ミルマンがセカンド・アルバム「Make Someone Happy」(2007年)で歌っています。
ゆったりしたスロー・ラテンで、しっかり且つしっとりと歌い上げていて、ベネットとは違う雰囲気で聴かせてくれます。