アゲハと過ごした6週間 (センスオブワンダー 17)
実は7月6日にオオムラサキセンターに行く前から、我が家ではアゲハの幼虫を飼育していました。
6月初めに妻の実家に出かけた際、裏の夏みかんの木の葉っぱにアゲハの幼虫がいるのを見つけて家に連れて帰ってきました。
親としては"子供の自由研究に良いかも"という気持ちがありましたが、次第に妻がこまめに面倒を見て観察するようになっていました。
以下は妻が書いた観察記録からの抜粋と写真です。
ちなみに我が家では"あげちゃん"や"あげ"と呼んでいました。
6月1日(日)
連れてきた時は長さが7mm、幅は2mm程度。
6月3日(日)
一円玉と比較しても小さい。
6月7日(土)
長さが1.8cm、幅は5mmの三齢幼虫。
6月10日(火)
長さは2cm、幅は8mmぐらい。四齢幼虫。おしりに脱皮した殻のかすがくっついていた。
6月12日(木)
長さは3cm、幅8mm。伸びると4cm。つのみたいなものがでてきた。
6月15日(日)
長さ3.3cm、太さ1.1cm。緑色の五齢幼虫になっていた。
6月21日(土)
長さ5.5cm、太さ1.4cmに成長。
6月24日(火)
長さ6.5cm、太さ1.5cm。まるまると太ってきた。ムシャムシャよく食べる。一口が大きい。
食事中に近づくと警戒してピタッと食べるのをやめる。
6月25日(水)
夜うろうろ動き回っている。箱の外にまで出て行ってしまった。蛹になる場所を探しているらしい。
竹の棒に乗せてあげたけれど気に入らない様子で動き回る。
段ボール箱の中にミカンの花瓶、箱、竹の棒、サランラップの芯を入れておく。
あげは段ボールのふちをぐるぐる歩き回っていた。
いつまでもいつまでも歩いているので、脱出しないように段ボールに新聞紙でふたをしておく。
6月26日(木)
朝7:30、起きて見てみるとあげは前蛹になっていた。段ボールの内側の壁に頭とお腹でくっついている。
よく見ると、くっついているところの段ボールに白い糸のようなものがついている。
昼14:30。お腹をくの字に曲げた形に変化。
夜19:00。なんだかかわいてきたみたい。少し縮んだ?
6月27日(金)
朝7:00、あげちゃん進化!! あげが蛹になる。 蛹の色は緑。
脱ぎ捨てた幼虫の殻が段ボールの底に落ちていた。
昼13:40 蛹の色が茶色に変化している。段ボールの茶色に似せているのか。
(我々がオオムラサキセンターに行ったのはあげが蛹になって一週間と少し経った頃でした。そして翌週の金曜日。)
7月11日(金)
帰宅すると妻が「今日困ったことがあって...」と深刻な顔で話し始めるのでドキドキして聞くと;
「あげがいつの間にか羽化してしまって。家にいたのに羽化するところが見られなくてくやしい」とのこと。
"何か面倒なこと?"と構えたので胸をなでおろす一方、"あげはどこ?"と段ボールに目をやると蛹の抜け殻が。
そして開け放した窓の網戸のところを見るとクロアゲハの成虫がとまっていました。
その時まで勝手にキアゲハと思い込んでいたのですが、クロアゲハでした。
妻がはちみつを溶かした水を机の上に置いていましたが興味を示さず。
そのうちに天井の梁のところに場所を見つけたようでそこにとまって動きません。
アゲハチョウには春型と夏型があります。
冬越しをした蛹からあるに羽化したものを春型といい、春型が産みつけた卵から孵化した幼虫が蛹となり夏に孵化したものを発型といいます。
幼虫時代の食べ物や気候の影響を受けるので、春型に比べて夏型は大きいです。
我が家のクロアゲハは翅の端から端までの長さが13cmほどありました。
その日は我が家の居間の天井で一夜を明かしました。
翌朝、庭に咲く花の上にのせてあげると、暫く翅の様子を試した後、飛び立っていきました。
幼虫を家に連れてきてから6週間、蛹になってから2週間でした。