オオムラサキふたたび (センスオブワンダー 16)
オオムラサキに会うため、再び七夕の時期にオオムラサキセンターに行ってきました。
昨年はちょうど七夕の日、今年は一日早い7月6日でしたが、今回もたくさんの成虫と出会えました。
今回、更に興味深かったことは、幼虫、前蛹、蛹、羽化したばかり、成虫と、オオムラサキの成長の色々な段階を観察することができたことです。
幼虫(六齢幼虫)
子供達に一番人気の"ムー"ちゃん。二本の角が伸びた顔がかわいい。
食欲旺盛でエノキの葉をムシャムシャ食べています。
エノキの枝を自由自在に動き回ります。動くスピードはけっこう速いです。
たくさん食べるのでウンチもたくさんでます。
前蛹
六齢幼虫で二十日程度過ごすと、六齢幼虫は体が隠れるほど大きな葉の裏に台座を作り、頭を下にしてぶらさがり蛹になる準備に入ります。
アゲハチョウの蛹が、頭を上に向け腹部末端で足場に固定、背中を通した糸で体を支えるのに対して、オオムラサキが属するタテハチョウ科の蛹の場合、腹部末端で足場に固定するだけなので、頭を下にしてぶら下がります。
葉の裏に糸をはいて足場をつくり、しりのかぎを糸にかけるのだそうです。
蛹
前蛹が2日続くと脱皮がはじまり蛹になります。
蛹の殻の中では、一部の組織以外はドロドロに溶けた状態で、その芽胞という細胞が分裂を繰り返して形を作っていくのだそうです。
オオムラサキセンターのスタッフの方が子供達を呼んで「ちょっと見ててごらん」と言って、オオムラサキの蛹のふっくらした腹の部分を親指と人差し指でつまみました。
すると、オオムラサキの蛹がイヤイヤをするように自らブルブル震えました。
蛹の中で進んでいることを考えると、蛹が震えるということは理解しがたいのですが、自分も実際に触れてみて確認しました。
この日一番の驚きでした。
オオムラサキセンターの生態観察施設「ひばりうむ」の壁にはたくさんの蛹がぶらさがっていました。
羽化
蛹になってから15日程、蛹の中で体が固まり、背中の部分が縦に割れて、成虫が頭から出てきます。
しりがぬけると上向きになり抜け殻につかまります。その間わずか三分。
羽化した時点では縮んでいた羽が翅脈からおくられてくる体液で次第に伸びていきます。
成虫(オス)
成虫たちは餌台におかれているメロンに群がっていました。
昨年来た時は、クヌギの木でカブトムシと仲良く、時に争うように樹液を吸うオオムラサキの群れを見たのですが、今回はカブトムシも見ませんでしたし、クヌギの木で樹液を吸うオオムラサキも少しだけでした。
成虫(メス)
メスはオスより遅れて蛹になり約10日ほど遅れて成虫になるそうです。
我々が行った頃にはメスの成虫もたくさん飛んでいました。オスより一回り大きく優雅に舞っています。
指の上にのったオオムラサキ
オオムラサキ、意外と人懐っこく、服にとまったり、手や指にのってくれたりします。
地面にいるオオムラサキに指を差し出すと指の上にのってくれました。
口吻で指の腹を何度も触るのでくすぐったいです。
子供達は「くすぐった~い」と大はしゃぎでした。