蚕 (センスオブワンダー 18)
オオムラサキセンターについてはまだ続きがあります。
この時期オオムラサキセンターでは蚕に関わる展示がありました。
展示に加えて、広げられた桑の葉の上に色々な種類の蚕の幼虫が飼育されていました。
"家で飼育してみたい方は分けますので申し出て下さい"との説明があったので、お願いして分けてもらうことにしました。
「桑の葉は手に入りますか?」との質問には、近くの公園に桑の木があることを妻が知っていて「大丈夫です」と回答。
子供達は蚕の幼虫がたくさんいるところを見て「気持ちが悪い」と言って連れて帰るのを嫌がっていましたが、説明員さんのお話を聞いて少し嫌な気分が緩和された様子。
結局、三種類の幼虫を連れて帰ることにしました。
全体が黒い幼虫、白地に黒い斑点のある幼虫、そして黄緑色の幼虫の三種類です。
暫く観察できるものと思っていたのですが、連れて帰った翌日の夜中には、黄緑の幼虫以外の二種類は繭になってしまいました。
一種類は完全になってしまって中が見えない状態。
もう一種類は繭になりかかっている途中で気が付きました。
結局、最初に繭になった蚕は成虫にはなりませんでした。
一方、続いて繭になった蚕は、繭になった十日後に羽化して成虫の蚕蛾が出てきました。
羽化した後はおしっこをします。蛹の間の老廃物だそうでコーヒーのような色をしています。
誘引腺がないのでオスのようです。
繭の糸がひっかかって繭からは離れられないようなので、少しは動き回れるよう離してあげました。
二日後。右の羽がうまく伸びきらない状態のままです。いずれにせよ蚕蛾は飛べない蛾です。
蚕蛾は口吻が無いため餌を取ることはありません。
子孫を残すために成虫になるわけですが、パートナーとなる蚕蛾がいないので、切ないですが、寿命を待つのみです。
今は子供達が指にのせたりしてかわいがっています。
二つの繭の写真です。
上が成虫が羽化した方で右側が蛾尿で茶色になっています。
後でお湯に入れて糸をほぐしながら中にあるものを出してみると、幼虫が蛹になる時に脱ぎ捨てた皮と、蛹の殻が出てきました。
一方、下の方は先にできた繭で、羽化しなかったものですが、蛹になる過程で止まってしまったようで、えんじ色のドロドロの状態のものしか出てきませんでした。
最後に、黄緑色の幼虫ですが、初めの頃は元気に桑の葉を食べていたのですが、次第に力が衰えてきて、残念ながら死んでしまいました。
アゲハの幼虫を連れてきた6月の初めから蚕蛾が羽化した今週まで、アゲハ、オオムラサキ、カイコについて色々と学ぶ機会を得ました。