la-musicaの美の採掘坑

自然、美術、音楽、訪れた場所などについて、「スゴイ!」「きれいだな...」「いいね」と感じたものごとを書き留めています。皆さんの心に留まる記事がひとつでもあればうれしいです。

マヨルカ~山と海の島 (永遠の場所 10)

ドイツに長期出張していた頃の10月の週末、スペイン・バレアレス諸島マヨルカ島で過ごしました。

マヨルカ島はドイツ人にとって非常にポピュラーなリゾート地で、一昔前の日本人にとってのグアム島のイメージです。

ドイツ人観光客が多いので、島ではドイツ語が結構通じます。

リゾート専用航空会社のフライトで雨のデュッセルドルフを発って約2時間、青空のマヨルカ島に到着。

空港から17番バスで島の中心都市パルマ・デ・マヨルカのスペイン広場へ向かいます。

1番バスに乗り換え、街の中心部を抜けてパルマ湾沿いのガブリエル・ロカ通りを西へ向かったあたりにホテルが並んでいます。

その中の一つ、Hotel Melia Confort Bellverに滞在。近代的で設備もサービスも十分、一泊7,000円程度は安い。

ホテルに着いたのは夕方17時。その日はパルマの旧市街をぶらつきました。

翌日、島の西側の山と海岸を巡るツアーに参加しました。

マジョルカ島地図

ツアー・バスでパルマ・デ・マヨルカ(Palma de Mallorca)からまずはインカ(Inca)までハイウェイを走ります。

一般道に降りてセルバ(Selva)まで、ここでレザー工場を見学。ここから山道で古い修道院のあるLlucへ。

更に険しい山道を通って島の北西岸にあるサ・カロブラ(Sa Calobra)まで降りていきます。

マヨルカ島というとビーチ・リゾートの避暑地との印象が強いですが、島の西海岸沿いにはセラ・デ・トラムンタナ(Serra de Tramuntana)という山脈が連なっています。

ちなみに、トラムンタナ山脈の文化的景観は、2011年に世界遺産に登録されています。

一番高い山はPuig Majorで1,443m。我々の通った道の一番高いところで780mとアナウンスしていたように記憶しています。

マジョルカ島 Sa Calobraへの道

サ・カロブラへの山道は細くて曲がりくねり、日光のいろは坂も目ではないという印象。

途中切り返しが必要な場所もあり、運転手がうまくさばくと乗客から拍手が。本当にバスの運転手の力量が試される道でした。

マジョルカ島 Sa Calobraへの道2

サ・カロブラは小さな入り江にレストランが数件あるだけの美しいビーチです。

マジョルカ島 Sa Calobra ボート

ここで昼食休憩をとり、その後フェリーに乗ってポルト・デ・ソーイェル(Puerto de Soller)まで約40分のクルーズを楽しみました。

日差しは強く暖かい日ではありましたが、さすがに海風に身をさらしていると冷えてきます。

クルーズの途中、隠れ家的なビーチも眺められました。

マジョルカ島 Sa Calobraからのクルーズ

入港したポルト・デ・ソーイェルは、船から眺めると、山並みが背景のビーチ・リゾートのパノラマで、絵葉書用と言える景色でした。

海水がどの程度冷たいのかわかりませんが、ビーチで水着姿で寝そべっている人達が結構いました。

マジョルカ島 Puerto De Soller

内陸のソーイェル(Soller)はこじんまりとした街で、オレンジ色の壁と緑色の窓・鎧戸が印象的。街の中央の広場にはりっぱな教会があります。

広場に面したBarでマヨルカ特産のイエルバス(Hierbas)という薬草のリキュールを試してみました。

甘・辛の2種類とミックスがあるとのこと。辛口を頼んでみたのですが意外と甘い。

味はぺルノー等のアニスに薬草を入れて甘くしたという感じ。オリーブオイルと同じ色でした。

ソーイェルからはレトロな木製の観光列車に乗り、パルマ・デ・マヨルカ方面へ。

アーモンド畑あり、山あり、トンネルありの変化に富んだルートでした。

マジョルカ島 Sollerからの観光列車

マジョルカ島 Sollerからの観光列車からの景色

途中で降りてバスに乗り換えホテルに戻りました。

バス、フェリー、鉄道に乗り、山と海のパノラマを堪能できる盛り沢山、大満足のツアーでした。

次の日、ドイツへ戻る日ですが、ミロ美術館に行ってみました。小高い丘の上にありました。

ミロは1956年にこの美術館のある場所に居を構えました。

母親と妻がマヨルカ出身で、大戦中もパリからマヨルカへ避難していたミロにとって、ここは特別な場所であったようです。

アトリエを構え、17世紀の古い住居も購入し、亡くなるまでここで作品を制作しました。

アトリエには、ミロの作品と、彼の集めた様々なもの(蝙蝠や蛙の骨組みもありました)が並べられていました。

ミロ美術館1

住居の白い壁には、彫刻の為のスケッチが至る所にそのまま描かれています。

ミロ美術館3

二階の部屋にはまだ何も描かれていない大きな白いキャンバスが置かれていました。

美術館には白いキャンバスに黒のみで描かれた無題の作品が数点と、黄地に黒い縁取りに赤と黄を塗ったバリエーションがありました。

庭には彫刻が置かれ、港と海岸線が見渡せます。青い空と海のなか、白い帆のヨットが映えていました。

ミロ美術館2

この日は10月29日、10月最後の日曜日。朝起きて暫くして、腕時計とテレビの時間表示が合わないのを見て冬時間に変わったことに気付きました。

ホテルの朝食ビュッフェはメニューが豊富でした。スパークリング・ワインや赤ワインもあり、又、何といっても、ハモン・セラノ(生ハム)やフォアグラもあるのがうれしかった。

ミロ美術館を訪れた後は、空港へのバスが出るスペイン広場まで来て、広場に面した"Cafe 1916"でPa amb Oli con Hamon Serrano"を頼んで、改めてハモン・セラノを堪能。

赤ワイン2杯とパン、オリーブ、ハモン・セラノで1,200ペセタ、約700円でした。

日の高いうちから赤ワインを飲んでほろ酔い、良い気分でした。