神縄断層 (センス・オブ・ワンダー 29)
伊豆半島が本州に衝突した現場である「神縄(かんなわ)断層」に行ってきました。
6年半ほど前に一度見に行きましたが、当時子供達は幼かったので覚えておらず、娘が見たいということで再訪することにしました。
前回は二か所、神奈川県の山北町皆瀬川の露頭と、静岡県の小山町生土の露頭を見ましたが、山北町の露頭よりも小山町の露頭の方が断層がわかりやすく又行きやすいので、小山町の露頭に行くことにしました。
ちなみに、山北町の露頭は断層が水平に走っていて、下が新しい足柄層(れき岩)、上が古い丹沢層(凝灰岩)です。
一方、小山町の露頭は断層が垂直に切り立っていて、向かって左が本州側の丹沢層(凝灰岩)、右が伊豆半島側の駿河れき層です。
国道246号線を神奈川県と静岡県の県境を過ぎたところで側道に入り、しばらく進んでフジボウの建物の向かい側の川に沿って伸びる林道を北上します。
途中から砂利道になりますが、前回はゲートのあるところまでは車で入れました。
ところが今回は、少し行ったところで道の状態が悪くなり車でゲートへ向かうのは断念、スペースを見つけて車を停めました。
林道の始まりからゲートまでは2km程度と知っていたので徒歩で林道を上ります。
道を進むとところどころで土砂崩れや木が倒れている様子を見かけました。
コンクリートの防壁も崩れていました。
多分ここ数年の集中豪雨で地盤が緩んで崩れたりしているのでしょう。倒木もたくさん見ました。
整備・修復する余裕がないのか、そのままになっているようです。
ゲートに到着。ここからはすぐです。
断層の場所に立て看板はありました。
これが静岡県小山町の神縄断層の露頭です。
先に書きましたが、向かって左が本州側の丹沢層、右が伊豆半島側の駿河れき層です。
娘も断層の前に立って、伊豆半島が小笠原諸島のあたりから北上し、100~60万年前頃に本州に衝突した様子を想像しようとしているようでした。
本州側の灰色の層は遠目からみると一見硬そうですが、凝灰岩の地層で結構もろく、さわると剥がれおちる感じです。
この神縄断層は日本にあるジオサイトの中でも重要な場所の一つであるように思います。
ただ、このまま林道の整備・修復が進まず、一方で気候変動によって集中豪雨が多発すると、ますますアクセスが困難になってしまうでしょう。
5年後、10年後に再び訪れることができるのか危惧しています。
帰り道でマムシグサが生えているのを見つけました。地下茎がイモ状で有毒なのだそうです。