la-musicaの美の採掘坑

自然、美術、音楽、訪れた場所などについて、「スゴイ!」「きれいだな...」「いいね」と感じたものごとを書き留めています。皆さんの心に留まる記事がひとつでもあればうれしいです。

鉄道旅行~会津への道 (永遠の場所 27)

東武鉄道の「ゆったり会津 東武フリーパス」を使って会津へ行ってきました。

鉄道好きの息子と二泊三日で家族旅行をするにはちょうど良いと考えて計画を立てましたが、色々な意味で新たな発見がある旅になりました。

東京浅草から会津若松までは、①東武伊勢崎線(浅草~東武動物公園) ②東武日光線(~下今市) ③東武鬼怒川線(~新藤原) ④野岩鉄道会津鬼怒川線(~会津高原尾瀬口) ⑤会津鉄道会津線(~西若松) ⑥JR只見線(~会津若松) の六つの路線を乗り継いで行くことになります。

といっても今は複数の線を乗り入れて走る列車があるので、実際には、会津鉄道沿線の会津田島駅で一回乗り換えるだけで浅草から会津若松まで行くことができます。

野岩鉄道

野岩鉄道のパンフレットから)

我々は下記の旅程で、龍王峡&川治温泉会津若松、日光を二泊三日で旅してきました。

[初日]  浅草 10:40 - 龍王峡 13:24 (区間快速会津田島行)、龍王峡16:24 -川治湯元16:30

[二日目] 川治湯元08:57 - 会津若松11:17 (快速会津田島行、会津田島で乗り換え)

[三日目] 会津若松08:00 - 東武日光11:01 (AIZUマウントエクスプレス4号)

      東武日光18:04 - 北千住 20:00 (きりふり296号)

会津への道

新藤原から会津高原尾瀬口までの野岩鉄道会津高原尾瀬口から西若松までの会津鉄道は山の中を走るので、この時期、新緑の清々しい景色を楽しめました。

野岩鉄道は山間部を走るため、路線距離30.7kmのの6割をトンネル、1割を鉄橋が占めるそうです。

川治湯元駅から会津寄りに一駅の湯西川温泉駅はトンネル内にある駅ですが、このトンネル駅を出たところがビュースポットで、鉄橋の上から左側に湯西川、右側に五十里湖の景色が開けます。

ただ直ぐにトンネルに入ってしまい、次の中三依温泉駅までは大部分がトンネルです。

湯西川五十里湖ビューポイント

この写真はそのビューポイントの鉄橋上で撮ったものです。

復路で撮ったものなので、左側に五十里湖、右側に湯西川があり、鉄橋の正面先のトンネルの中に湯西川温泉駅があります。

会津鉄道沿いでも清々しい新緑の景色を眺めました。この写真は塔のへつり駅近郊で車窓から撮ったものです。

会津鉄道塔のへつり近郊新緑

この東京から会津への路線、特に下今市から先の東武鬼怒川線野岩鉄道会津鬼怒川線会津鉄道会津線の沿革を調べてみるととても興味深いです。

東武鬼怒川線は、1913年に運転を開始した鬼怒川水力電気下滝発電所建設のための資材運搬軌道が前身となっています。

これが下野軌道、その後下野電気鉄道となりましたが、太平洋戦争中の1943年、陸上交通事業調整法による交通統合により東武鉄道に買収され、それ以来東武鬼怒川線として運営されています。

会津鉄道会津線は、1927年開業の国鉄会津線が1980年公布の国鉄再建法により特定地方交通線に指定されたことに伴い、国鉄分割民営化後の1987年に第三セクター会津鉄道が引き継いだものです。

このように、東武鬼怒川線は下野電気鉄道としての歴史が、会津鉄道会津線国鉄会津線としての歴史があり、開業はそれぞれ1917年、1927年に遡るのですが、一方で間に位置する野岩鉄道会津鬼怒川線が開通したのは1986年です。

野岩鉄道は、栃木、福島両県などが出資した第三セクター鉄道で、旧国鉄が財政難で中断した工事を引き継いで路線を完成させました。

1891(明治24)年に会津地方の有志が首都圏と鉄道で結ぶよう陳情して以来、開通は「100年越しの悲願」とのことです。

会津高原尾瀬口以外の駅は栃木県内にあるのに福島県の出資が多いのは、首都圏との結びつきを求める思いがより強かったからなのでしょう。

ちなみに東武鉄道野岩鉄道にも会津鉄道にも出資しています。

3路線の概要を以下にまとめてみました。

東武鬼怒川線&野岩鉄道&会津鉄道

浅草から会津若松までは列車で5時間強で着きます。

一気に行くには少ししんどい気がしますが、車窓の景色も楽しいですし、どこかで一旦途中下車して散策しがてら行くには楽しいルートです。

今回新緑の季節も良かったのですが、紅葉、雪、桜など別の季節にもまた訪れてみたいと思いました。