イスタンブール~ハマム&旧市街名所 (永遠の場所 23)
ドイツに長期出張していた頃、かねてから行きたかったイスタンブールに三泊四日で訪問しました。
訪問に当たって設定した旅の目的は、①ハマム ②旧市街名所 ③ベリーダンス ④ホテル・ペラパレス ⑤ボスポラス・クルーズ の五つでした。
イスタンブール・アタチュルク空港には午後二時半頃到着。
エアポートバスとトラムを乗り継いで市の中心部へ向かい、スルタン・アフメット地区の"フェフミベイ"というプチホテルにチェックイン。
バスタブは無く空調は天井の扇風機ですが一泊US$35と安い。
早速スルタンアフメット・ジャミーへ。
アヤソフィアと対峙するように立ち、モスクの内部を彩るイズミック・タイルの青から「ブルーモスク」の愛称で呼ばれます。
丁度礼拝の時間だったので終わるのを待って中に入りました。
天井が高く、風通しが良いので、とても心地よかったことを覚えています。
初日は観光の時間がとれないので、それならマッサージに行こうとチェンベリタシュ・ハマムへ。
1000万リラ(15US$)を払って中に入り、階段を上って二階にある小部屋で服を脱ぎ布を腰に巻きます。
一階に降りると、担当のマッサージ師が中で待てと指示。中のサウナはそれほど熱くなく、温かい大理石の上に横になります。
おじさんがマッサージを始め、「Strong?」と聞くので「No problem」と応えているうちに段々キツくなってきました。
水を浴びせられ場所を洗面台へ移動。
豪快なシャンプーの洗礼を受けましたが、その後は身体を優しく洗ってくれます。
しかし、最後は首を左右に振ってボキボキいわせられてマッサージ終了。
まあ身体が少し軽くなったような気にはなりました。
(絵葉書)
二日目は旧市街の名所を駆け足で回りました。
考古学博物館では、レバノンのシドンで発掘された、アレキサンダー大王の石棺のレリーフが精巧且つ躍動感あふれるもので印象に残りました。
騎乗の若きアレキサンダーのマントが翻る様、馬にかみつくライオン、ナイフをさされて苦しむ兵士など。
紀元前4世紀の作品です。
映画「007ロシアより愛をこめて」のロケに使われた「地下宮殿」には是非行きたいと思っていました。
"地下宮殿"の愛称がついていますが、ここは東ローマ帝国時代から続くの地下貯水池です。
黒海に近い水源から約20kmに渡って水が引かれ、アヤソフィアやトプカプ宮殿などに供給されていたそうです。
オレンジ色の照明の中、薄暗い水面に300本を超える大理石の柱がそびえ立つ光景は幻想的で別世界のようです。
土台の部分にメデューサの顔が使われている柱もあります。
横向きと上下逆さのものがあり、メデューサの目の魔力を封じ込めるためだったなどの説があります。
アヤソフィアはイスタンブールの波瀾の歴史を物語る博物館です。
東ローマ帝国時代に正統派キリスト教の大聖堂として建設され、一時ラテン帝国支配下でローマ・カトリックの教徒大聖堂として使われ、そして1453年のコンスタンティノープル陥落から1931年まではモスクとして使われてきました。
世俗化されて1935年からは博物館として使われています。
大ドームを含め度々改修が行われていますが、基本的な部分はユスティニアヌス帝治世の537年に建設された時のまま、というのは驚きでした。
モスクの時代に漆喰で塗り込められていて、20世紀半ばに漆喰が取り除かれ蘇ったモザイクは奇跡です。
中でも「デイシス」と呼ばれるモザイク画は、他のモザイク画に比べてキリストの顔が立体的に表現されていて、迫ってくるものがありました。
そしてもちろん、トプカピ宮殿にも足を延ばしました。
宝物館でたくさんの財宝を見たのだと思いますが残念ながら覚えていません。
印象に残っているのは、ブルーを基調としたタイルが美しいハレムのスルタンの間、そして、奥のバーダッドキョシュキュからの金角湾の美しい景色です。