忘帰洞 (プチ絶景 7)
熊野旅行の二泊目、那智の滝を訪れた後の夜は、那智勝浦のホテル浦島に泊まりました。
以前、大学時代の友人達で温泉旅行をした際、友人の一人が南紀勝浦の洞窟風呂がとても良かった、と言っていたのを思い出したのです。
ホテル浦島は全館合わせると収容人数が3,000人を超えるマンモス・ホテルです。
泊まった日は中国・韓国からの団体旅行客も大勢いました。
ホテルは本館、なぎさ館、日昇館、山上館の四つの建物で構成され、温泉も12の源泉を持ち、6つの温泉があります。
狼煙山という山がある岬全体がホテルの敷地となっていて、ホテルへは勝浦港・観光桟橋から専用の送迎船でアプローチします。
本館1階と、レストラン"グリーンヒル”という大食堂がある山上館とは、"スペースウォーカー"という全長154mのエスカレータ-で結ばれていて、所要時間が6分弱ほどかかります。
夕食に行く際に乗ったこのエスカレーター、重厚長大な「昭和」の雰囲気です。
33階の大食堂のバイキング会場ではまぐろの解体ショーの実演もあり。バイキングのメニューは多いので、ついつい取りすぎ食べ過ぎました。
まず規模に圧倒されるホテル浦島ですが、何といってもこのホテルの唯一無二は「忘帰洞」という洞窟風呂です。
「忘帰洞」の名前は、紀州藩主の徳川頼倫公に「帰るのを忘れさせるほど心地よい」と誉められ名付けられたとのこと。
大洞窟の中央に仕切り壁が設けられ男湯と女湯に分けられています。
午前と午後で入れ替えになるので、到着日の夕方・夜、翌朝で左右両方を楽しめます。
洞窟とはいえ中は広々として解放感があります。メインの湯船、サブの湯船、海に面した湯船、洗い場が広がっています。
仕切り壁に沿ったメインの湯船も良いのですが、やはり、海に面した湯船で、打寄せる波の音を聴きながら太平洋の磯の景色を眺めながら寛ぐのが格別です。
天気は到着日の夕方・夜までは持ったのですが、未明・明け方の頃からか天気が崩れました。
翌朝は海に面した湯船に雨が吹き込むほどの荒れ模様となりましたが、それはそれで洞窟風呂からの景色は絶景でした。
到着日は「忘帰洞」の右側、翌朝は左側。どちらかというと空間は右側の方が広い気がしました。
一方、左側は海に面した湯船がより海に近い気がしました。トンネルのような空間にある洗い場も独特の雰囲気。
ここにはもう一つ「玄武洞」という洞窟風呂もあります。
空間的には「忘帰洞」より狭くこじんまりとしている分、洞窟の岩が迫ってくる感じで、解放感のある「忘帰洞」とは違う雰囲気が楽しめます。
場所が場所だけに写真は撮れませんでしたので、洞窟風呂の雰囲気はホテルのwebページを参照下さい。
このホテルに滞在しなければ楽しむことのできない景色です。