日向山山頂での環水平アーク (センス・オブ・ワンダー14)
ゴールデンウィーク後半の5月4日、山梨県北杜市の白州にある日向山に登りました。
一昨年からゴールデン・ウィークには白州でオート・キャンプをしていて、今年は三年目。
今回は日向山登山後にキャンプ場に入る計画で、自宅を早朝に出発して日向山へ直行しました。
白州までの道程は順調。登山口へ向かう細い尾白川林道を上っていくと上から降りてくる車と遭遇しました。
そのドライバーによれば登山口の駐車場は既にいっぱいとのこと。
少し先の道路脇に駐車可能なスペースがあるのでそこに停めて登ったらいい、とアドバイスをもらいました。
少し進んだところに丁度良いスペースがあり、駐車中の二台の横に入れてもらうことに。
登山口までは少し距離があったので、車道ではなく林の中の道を行くことにしました。なかなか急な山道でした。
矢立石の登山口は標高1,120m。日向山は標高約1,660mですので、標高差約540mの行程6.3kmのハイキング・コースです。
事前に確認した情報では山頂までは概ね一時間半程度で登れるとのことでした。
ハイキング・コースは所々で木々の切れ間から山々の景色が望める気持ちの良い林道です。
途中で富士山を眺めることもでき、子供達は元気にスタスタ登っていきます。
山頂は樹木に遮られて展望がありませんが、更に登山道を進むと急に展望が開けて目の前に真っ白な景色が広がります。
ここが雁ヶ原です。
この真っ白なものは花崗岩が風化してできた白砂です。
雁ヶ原の白い砂原は傾斜していて、斜面の下の方に花崗岩の奇岩群が並び、その先は崖になっています。
周りの眺望が開けた場所に立っていると平衡感覚を失いそうになります。
傾斜面に林を背にして立つと、裾野の先に八ヶ岳が望めます。
反対側には鞍掛山と甲斐駒ケ岳のパノラマが広がります。
子供達が「あっ、虹だ!!」と叫ぶので、見上げると青空に虹がかかっていました。
ただ、普段見るアーチ型の虹とは異なり、水平に伸びる虹でした。
自分も含め皆興奮して空を見上げシャッターを押していました。
数分間の出来事でした。
後から調べてみたところ、この水平に伸びる虹は”環水平アーク”と呼ばれるそうです。
大気中の氷粒に太陽光が屈折し、ほぼ水平な虹が見える光学現象とのことです。
一般の虹が太陽とは反対の方向に見えるのに対し、環水平アークは太陽と同じ方向にほぼ水平に現れる、との説明もありました。
ネットのニュースでは、この日、日本の各地でこの”環水平アーク”を眺められたとのことでした。
ちまたでは地震の前触れとして話題になるようですが、日向山の山頂から見た虹は大変美しく、暫し見惚れてしまいました。